僕とお兄ちゃんは、一緒に生まれ育ち、幸せな時間を共に過ごしていました。ご主人様に可愛がられ、何不自由なく穏やかな生活を送っていましたが、それは突然終わりを迎えました。家計が困窮し始めたご主人様の一人が徐々に僕たちを邪魔者扱いし、最終的に夜の公園のゴミ箱に捨ててしまったのです。不安と恐怖に震える中で唯一の慰めは、お兄ちゃんがそばにいることでした。しかし翌日、僕たちは人間に捕獲され、小さな檻に入れられました。でも、その人間は僕たちに対して優しい表情を浮かべていて、新しい生活の希望を持たせてくれました。その後、僕たちは新しいご主人様の家に迎え入れられました。最初は再び裏切られるのではないかと怯えていましたが、その人たちは本当に温かく、愛情深い家庭でした。兄弟として、僕たちはその家で穏やかで幸せな日々を送ることができました。しかし、人生は常に残酷さを秘めています。それはある朝のことでした。「お兄ちゃん、おはよう」と声をかけた僕の前で、お兄ちゃんは静かに横たわったまま動かなくなっていました。元気で頼もしかったお兄ちゃんが亡くなってしまったのです。僕は悲しみに暮れましたが、新しいご主人様たちも一緒に泣いてくれました。その温かさに触れ、僕は少しだけ救われました。お兄ちゃんが天国で安らかに眠れるように、そして動物たちにも感情があることを人間に伝えるために、僕は強く生きていこうと決心しました。お兄ちゃんとの思い出を胸に刻みながら。