団地に住む私が買い物帰りに家でくつろいでいると、インターホンが鳴った。覗いてみると、小さな男の子と女の子が立っている。ドアを開けると、彼らは「猫いりませんか?」と尋ねてきた。手には小さな段ボール。その中には、まだ幼い2匹の子猫が入っていた。子供たちは泣きそうな顔で話し始めた。公園で捨てられていた子猫を見つけたが、自分たちの家では飼うことができないらしい。この団地ではペット禁止のため、ほかの住人にも断られて困っているとのことだった。私は「自治会の集会所を使えないかもしれない」と考え、自治会長のもとを訪ねた。そして事情を説明すると、話はスムーズに進んだ。さすが会長、すぐに場所を提供してくれた。さらに住人たちの優しさが広がり、集会所では猫のための食事や寝床まで用意されることに!その晩、団地中から多くの人々が集まり、ちょっとした「里親探しの会」が誕生。翌日、子猫たちは無事に新しい里親のもとへ向かった。いまでも子供たちは会いに行くそうだ。小さないのちを守るため、団地全体がひとつになった心温まる出来事だった。