猫と話せた娘
2025/02/05

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娘が生まれたとき、わたしはちょうど夫と二人暮らしをしていた。家には一匹の猫、玉(たま)がいて、その丸い目と柔らかい毛並みは、赤ちゃんだった娘にとって最高の遊び相手だった。成長するにつれて、娘は玉とよく遊ぶようになり、さらに驚くことに、「玉がこう言ってるよ」と猫の思うことを代弁するようになったのだ。ある日、娘が真剣な顔でこう言った。「玉が身体が重いって言ってるの」。まさかと思ったが、念のため玉を動物病院に連れて行った。そこで驚くべきことが判明した。玉は甲状腺の初期の病気にかかっており、まだ症状が軽いうちに対応できたおかげで回復することができたのだ。それから年月が経ち、娘も中学生になる頃には「猫と話せる力」などすっかり忘れていた。ある日、テレビで動物特集を見ていた娘がぽつりと言った。「わたし、昔猫ちゃんと話せてた気がするんだけど」。それを聞いて、わたしの中に当時の記憶が蘇った。子供にしかない特別な力。それは今でも解明できない不思議だけれど、この出来事はわたしに一つの真実を教えてくれた。時には純粋な心が、目には見えない奇跡をもたらすのだと。

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