二十年前のある日、ばあちゃんは一匹の柴犬を引き取りました。その犬は「ゴンタ」と名付けられ、家族の一員となりました。特にばあちゃんとゴンタの絆は深く、ばあちゃんはゴンタと散歩したり歌を歌ってあげたりと、一日中一緒に過ごしていました。夜には、ゴンタはいつもばあちゃんの隣で静かに寝ていました。しかし、年月が経ち、ばあちゃんが長い入院生活を送るようになると、ゴンタは寂しそうに家族と過ごすようになりますが、どこか元気がありませんでした。そして、ばあちゃんが病院で亡くなったその日、ゴンタは何かを感じたのか、ばあちゃんの部屋に誰にも気づかれないように入っていきました。目が覚めた時、ゴンタの姿はありませんでした。探し回った末に見つけたのは、ばあちゃんがいつも寝ていた布団の上。ゴンタはその場所に静かに丸まっていました。それはまるで「ばあちゃん、おかえり」とばかりに迎えているかのようでした。その日から、ゴンタは毎晩ばあちゃんの部屋で眠りにつくようになりました。ばあちゃんとの日々を懐かしむように、そしてまるで彼女がまだ側にいると信じているかのように、ゴンタは最後の時までその場所を離れませんでした。この小さな家族の物語は、命のつながりと愛の深さを私たちに教えてくれます。