ある日、外で暮らす母猫が我が家にやってきた。少し前から彼女とは顔見知りで、時々餌をあげたり、撫でたりする関係だった。ある日を境に、その母猫が私の家に子猫を次々と運んでくるようになったのだ。最初は1匹、その翌日にはさらにもう1匹。そして最終的には6匹全ての子猫を、母猫は信じられないほどの執念で運び込んできた。  その姿には何か切実な思いを感じた。母猫にとって、子猫たちを私に託すことが安全だと思ったのだろうか。その信頼に応えるため、私は子猫たちを大切にお世話し、母猫にも寄り添い続けた。  その後、母猫に避妊手術を施し、子猫たちは新しい里親へと無事に引き取られたが、母猫の愛情深さに今なお胸を打たれる。彼女は変わらず我が家に訪れ、甘噛みを交えながら私にその独特な愛を示してくれている。泣けるような深い絆を感じる日々だ。