高校二年生の明は、ひとりぼっちで目立たない存在だった。ある放課後、彼が定食屋の手伝いに向かう途中で見つけたのは、猫耳をつけて怯えるように隠れるクラスメートのギャル、美蘭だった。彼女は怪しいバイトから逃げ出したところだという。美蘭の困惑した事情を知った明は、彼女を自分の家――古びた定食屋へと連れて行くことに決めた。そこで、彼女は自分の置かれた状況を明け透けに話し、母子家庭で経済的に厳しい中で、バイトを探していると語った。明の家族は美蘭を温かく迎え入れ、彼女は定食屋で働き始めた。彼女の明るい接客は評判となり、店は次第に活気づいてゆく。明もまた、彼女と共に過ごす中で次第に自信を取り戻し、孤独から解放されていくのだった。この不思議な出会いがもたらしたのは、新たな幸せと淡い恋心の予感。本来孤独だった明の日常が彩りを増し始めたのだった。