俺は高校生の真也。同じ高校の不良仲間とつるみ、毎晩のように河川敷でたむろしていた。罪悪感なんて一切ない。そんな俺が、ある日ボロボロな野良猫と出会った。その猫は弱々しい姿で俺にすり寄ってきた。正直、最初はうざったいと思っただけだ。でも、キャットフードを夢中で食べるその姿を見た瞬間、なぜか心が動いた。翌日、その猫が大きな猫たちに囲まれていたのを目撃した俺は、無意識に彼を助けていた。「こんな俺でも、必要とされているのか？」そんな初めての感覚に胸が熱くなった。しかし、その平穏は長く続かなかった。仲間たちがその猫を見つけ、からかい始めたのだ。「汚ねえ野良猫なんて解剖して遊ぼうぜ」と言う彼らに、俺は思わず声を荒げた。「生きてる動物を傷つけるなんてありえねえだろ！」先輩に逆らうなんて地獄行きの切符だ。それでも猫を守るため、俺は暴行を受け続けた。痛みに耐えながら守り抜いたあの猫が、今も俺のそばにいる。こいつは俺を信頼し、頼りにしてくれる存在だ。俺は変われる。今度こそ真っ当な人間になれるんだと。その猫の瞳を見て、俺は確信した。