ペペという名のぼろぼろの野良犬は、誰からも愛されることなく、ただ病院の前を彷徨う日々を送っていた。しかし、一人の優しいおじいさんが彼に手を差し伸べてくれたのだった。多くの人々が警戒する中、そのおじいさんだけは笑顔でペペに接してくれた。やがておじいさんが健康を害すると、その面会は次第に減っていったが、ペペは毎日彼を待ち続けた。そして、一年が過ぎたある日、病院に現れた一人の女性がペペの前に立ち止まり、「この犬が待っていた方は、あなたに臓器を提供してくださった方です」と告げた。彼女はペペに温かい笑顔を見せ、まるでかつてのおじいさんのようだった。その日を境に、ペペはその女性と共に暮らすようになり、新しい家族としての日々を迎えた。ペペに訪れた幸せは、あの優しいおじいさんが繋いでくれたものだったのかもしれない。