森の中、静かに捨てられた私は、行くあてもなく彷徨っていた。歩行障害を持つ私の後ろ脚はなく、他の猫と同じように生きることができないと思っていた。それでも、前足と尾を使って少しずつ進む日々だった。そんなある日、一人の優しい女性が私に気づいた。「こんなところで何してるの？」驚いたように私を見下ろした彼女は、私を病院に連れて行くことを決意した。初めての優しさに、戸惑いとともに心の奥が温かくなった。その後、彼女は私を自分の家に迎え入れた。彼女の夫もまた、「今日から俺たちが家族だよ」と、私を優しく抱きしめてくれた。信じられない思いだったが、徐々に信頼と感謝の気持ちが私を包んでいった。ある日、私の写真をSNSにアップした彼らは、たくさんの応援を受け取った。「君の個性は素敵だよ」と言われるたびに、心はもっと温かくなった。そして、私は一生の友を得たのだった。