川辺に佇む小さなペンション。そこに飾られた一枚の写真には、水面で犬を抱く女性の姿が映し出されています。喧騒の中、その瞬間だけが静止したような光景。ペンションのオーナーであるその女性と、彼女の愛犬・小太郎の絆が感じられるもので、思わずシャッターを切ってしまいました。小太郎は長い時間の中で心も身体も傷ついた犬でした。元の飼い主からの虐待で、心の扉を開くまでには時間がかかったと言います。しかし、彼を迎えたオーナーとの出会いが奇跡となり、十九年の歳月が流れました。彼女もまた、人生の試練で打ちひしがれた時、小太郎がその側にいてくれたことにより、救われたと言います。老犬となった小太郎の唯一の楽しみは川での水遊び。その浮力が痛みを和らげ、しばしの安らぎを与えるのです。二人の強い絆が感じられるその写真は、多くの人の心をも動かしています。小太郎との日々の記録が語り継がれ、奇跡の出会いが生んだ物語として人々の心に刻まれていくのです。