私は昔、おてんばな犬でした。何度もご主人様を困らせてしまいました。例えば、おしっこを決してしてはいけない場所でしてしまったり、他の犬に飛びかかって遊びたかったり。叱られたこともありましたが、その後はいつも優しく抱きしめられ、幸せを感じました。ご主人様は旅行が好きで、私はキャンピングカーで全国を巡りました。バーベキューの時には、肉の匂いがたまらなくて。最近、年をとり、視力や聴力も衰えてきて、昔のように動けなくなりました。日々の大半は寝て過ごしますが、ご主人様は変わらず優しく接してくれます。その温かい手の感触と匂いだけは、今でも私の心を安らげます。私は、これまでの感謝を伝えたく、さらに迷惑をかけないことを願っています。日々幸せでいられるように、残された時間を大切に過ごしていきたいと思います。何も悔いはありません。ただ、ご主人様のそばで最後の瞬間まで穏やかに、と思っています。