鈴木誠が電動車椅子で段差を前に途方に暮れていた時、「手伝います!」という声が響いた。振り返ると、そこには金髪でピアス、そして破れたジーンズを履いた三人組の若者が立っていた。見た目こそ派手だったが、その眼には純粋な優しさが宿っていた。「車椅子を下ろしますよ!」と言ってリーダーらしき一人が仲間と共に電車に乗り込み、誠を丁寧に持ち上げた。迷いのない動きで進む彼らの姿に、誠は自然と心を許していった。ホームに無事に降り立つと、「改札までお送りします」という申し出に甘え、三人と共に改札へと向かった。途中で交わしたのは日常の会話。しかしその短いやり取りの中で、誠は三人の純粋な心に触れ、自分が作っていた偏見に気づかされた。「困っている人を助ける、それだけです」という彼らの言葉が胸に響いた。別れ際、誠は深く頭を下げた。「助けてもらったこと、絶対に忘れません。」その言葉に、三人は笑顔で手を振り、静かに去っていった。