コロナ禍の最中、アウトドアブームが巻き起こった。自宅でのストレスを逃れ、外の空気を吸うために多くの人々がキャンプ場を目指した。焚き火を囲み、星空を眺めるその経験が、一瞬にして日常の癒やしとなった。しかし、その熱狂は突然として幕を閉じることになった。2023年、新型コロナウイルスが五類移行となり、日常が戻ったことで、キャンプを支えていた大勢の初心者たちが去り始めた。「みんなやってるから」とキャンプ用品を揃えてきた人々が、用途を失った道具をリサイクルショップに持ち込む姿も増えている。スノーピークの純利益ほぼゼロの発表が象徴するように、ブームは大幅な縮小を迎えた。残ったのは、本当にキャンプを愛する一握りの人たちだけ。静かになったキャンプ場で焚き火を眺める彼らは、感傷にも似た安らぎを覚える。ブームとは刹那のもの。一時の熱狂が去った後に本当に大事なのは、本物の価値に気付くことなのかもしれない。