梅子さんが還暦に達したにもかかわらず、まだ仕事を続けるつもりでいることに、新入社員のさやかは不満を募らせていた。「梅子さんって還暦なのにまだ仕事辞めないの？さっさと引退してくれませんかー」さやかの突然の発言に梅子は驚いた。今まで気づいていなかったが、さやかはずっと梅子に辞めて欲しいと思っていたことを告白した。「でも、どうして？私はさやかさんに迷惑かけてないと思うんだけど...」「めちゃくちゃ迷惑かかってるからね。いつもさっさと仕事終わらせて帰ってるじゃん。こっちが必死に仕事してるのに、自分だけ先に終わらせてずるいよね。」そう言われても、梅子は冷静だった。「仕事が終わったから帰ってるのよ、当然じゃない？」「いやいや、それは違うよ！私達はまだまだ残業してるんだから！」最終的に梅子はさやかの望み通り退職を決断した。しかし、その後で梅子は重大な事実を明かした。「私の夫が社長なんだけど。」この真実を知ったさやかは衝撃を受け、オフィス中が騒然となった。結局、さやかは自分の未熟さを痛感し、これから厳しい上司のもとで再スタートを切ることになった。しかし、教訓を得たのはさやかだけではなかった。「お望み通りに退職しましたけど、これからが本当の試練だと思いますよ。」梅子はそう言い残し、悠々自適な第二の人生を楽しむため、オフィスを後にした。