ぴえん過ぎる生き物紹介 タテゴトアザラシ タテゴトアザラシ、聞いたことがありますか?真っ白な毛皮にくりっとした目、ぽっちゃりとした体型。その愛らしさは、「かわいい」以外の言葉が見つからないほどです。彼らの一生は、見た目からは想像できないほど厳しく切ないものです。 生まれたばかりのタテゴトアザラシの赤ちゃんは、黄色味を帯びた毛皮をまとい、母親の母乳を飲んで成長します。母親は海に餌を取りに行きながら、少しずつ子供に泳ぎ方や生きる術を教えていきます。しかし、初めて水に触れる時、赤ちゃんは怖がり、陸へ逃げ帰ってしまうことも。それでも何度も挑戦し、ようやく水に慣れていきます。 ところが、母と子供が一緒にいられる時間はあまりに短いのです。ある日、母親はいつものように餌を探しに出かけますが、もう戻ってくることはありません。赤ちゃんは母親を待ちながら泣き続けますが、それはすでに永遠の別れの時。母親は何の別れの言葉もなく、遠くへ去ってしまうのです。 驚くべきことに、この育児期間はわずか2週間しかありません。人間の子供が20年経っても自立しないことを思うと、タテゴトアザラシの赤ちゃんは信じられないほど過酷な環境に置かれているのです。泳ぎの練習はたったの2日程度。その後は、自分で餌を捕らなければ餓死してしまいます。 短すぎる親子の時間と、厳しい自立への道。その姿は胸を打つとともに、自然界の厳しさを感じさせます。