愛を証明した生き物ウォンバット ウォンバットをご存じですか?体長約90センチ、体重約30キロのオーストラリアに生息する有袋類で、そのずんぐりむっくりとした愛らしい体型が特徴です。彼らは地面に穴を掘って生活し、人懐っこい性格で知られています。 数年前、オーストラリアを大型の台風が襲い、動物園が被害を受けて約2か月間閉鎖されました。その間、動物園にいたウォンバットたちの体調が急激に悪化しました。普段から健康を崩しやすいウォンバットですが、そのときの異常は特にひどく、スタッフがあらゆる手段で原因を突き止めようとしました。多くの人が台風のストレスだと思っていましたが、驚きの診断結果が出たのです――原因は「寂しさ」によるうつ病でした。 動物が寂しさでうつ病になるなんて普通考えられませんよね。コアラのようにストレスで体調を崩す動物は多いですが、人との接触がないと逆に病気になるウォンバットは非常に珍しい存在です。さらに、飼育下のウォンバットは愛情を受けることで寿命が野生の約7倍、35年近くも延びるとされています。この事実は、ウォンバットが「愛」を必要とする生き物であることを証明しているのです。 愛によってその命を大きく伸ばすウォンバット。彼らの姿は、愛情の力を実感させる特別な存在です。