ある日の午後、いつもは大人しくて甘えん坊な黒白猫のチビが、珍しくふくれっ面をしていた。どうやら、朝ごはんの時間が少し遅れたことが原因らしい。普段はそんなこと気にしないチビだが、今日は特別機嫌が悪い様子。ソファで仰向けになり、両手を広げて不満をアピールしている。そんな姿にちょっと笑いがこぼれた。突然、チビが「ニャーニャー！」と真剣な顔でこちらに向かって話しかけてきた。何かを言いたいのは確かだ。でも、その「ニャーニャー」は当然ながらネコ語。意味はさっぱりわからない。それでも、その目の奥に何か大切なことを伝えたい思いを感じた気がする。「ごめんね、チビ…でも、何を言ってるかは分からないよ…」チビはしばらくこちらを睨んでいたが、少しずつ機嫌が直って、再びリラックスした表情を見せる。彼のネコ語は解読不能だったけれど、その一瞬のコミュニケーションは特別なものだった。